呼吸器外科
呼吸器外科について
頸部から胸部の手術治療を中心に行っています。肺がん、食道がん、甲状腺がん 等を扱っています。
診療内容(対象疾患)
- 肺がん
現在、肺がんは部位別がん死亡数において、男性1位、女性2位であります。
肺がんの根治手術(縮小手術、拡大手術、低侵襲手術)、診断学的手術および検査を行っています。また気道病変に対して、気道ステント、腫瘍焼灼 等の内視鏡的処置も行っています。 - 気胸
気胸は肺から漏れた空気が胸腔内に貯留し、肺・心臓を圧迫する病気です。15歳~25歳の若年者と高齢者に多い傾向があります。気胸の原因は肺にできたブラという袋状の病変であり、これを処置する手術を行い、再発しないようにさせていただいております。
- 膿胸
膿胸は肺炎の炎症が胸腔内に波及し、胸水・膿がたまってくる病気です。抗生剤投与をするとともに、手術で胸水・膿を除去し、肺が膨らむようにして、短期間の回復をめざします。 最近、ガイドラインも発表され、急性膿胸に対する早期手術療法が推奨されています。
- 肺結核・肺非結核性抗酸菌症等の炎症性疾患
空洞を形成した場合、限局性病変の場合、薬剤抵抗性で難治性の場合、治癒するために手術で病変部を切除します。
- 甲状腺がん(一部バセドウ病等の良性疾患)
甲状腺がんに対する治療は抗がん剤治療、放射線治療(外照射)は一般的ではなく、手術による切除が第一選択です。また、難治性のバセドウ病等も手術療法が必要になります。
- 食道がん
術前化学療法を行い、開胸開腹による根治手術を行います。
- その他
漏斗胸、縦郭疾患、横隔膜疾患、胸壁疾患 等 の手術療法を行っています。
呼吸器外科の治療
肺がん手術
胸腔鏡下の低侵襲な肺がん根治術を行っております。。特に4cm程度の傷ひとつで手術を行う単孔式胸腔鏡下手術に力をいれております。高知県で積極的に単孔式胸腔鏡下手術を行っているのは当院のみであります。傷ひとつなので、創痛も少なく、胸郭の損傷も最小限です。
気胸手術
胸腔鏡下手術を行っています。入院期間短縮、疼痛軽減、術後再発率の軽減を目標としています。
内視鏡補助下甲状腺手術
従来、頸部を切開して行う甲状腺手術を、患側鎖骨下の胸部に4cmと1cm程度の傷2つのみで内視鏡を用いて、行っています。美容的に優れており、創痛も軽度であります。
診療実績
呼吸器外科専門施設として、県下有数の症例数があります。
全身麻酔下の呼吸器外科関連手術症例数は、2021年123例、2022年129例、2023年114例となっております。単孔式胸腔鏡下手術は150例をこえて経験しております。また、甲状腺疾患手術は年間20~35例程度を行っております。