検体検査部門
生化学検査
生化学検査は、血液から分離した血清などを用い、それに含まれる化学的成分を分析する検査です。これらの成分には病気の有無や進行の程度によって、性質や量が変化するものが多くあり、これらを調べることによって病気の診断をしたり、病状を推定したりします。成分の中には、「電解質」と呼ばれるもの(Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Cl(クロール)など)や、血液や細胞に含まれている「酵素」「糖質」「脂質」「ホルモン」「薬物濃度」「腫瘍マーカー」など、現在では数多くの項目が調べられます。
血液学的検査
血液検査
- 血液中の赤血球やヘモグロビン濃度、白血球や血小板などの数を測定し、貧血や感染症の診断を行います。
- 血液細胞の形態を観察し、白血病や悪性リンパ腫などの血液疾患を調べます。
- 血液細胞を作る骨髄中の細胞を採取し、血液疾患の原因を調べます。
凝固線溶系検査
- 血液が正常に固まるかの凝固検査と、血栓ができやすくなっていないかの線溶検査を調べます。
一般検査
尿定性・沈渣
- 尿定性検査:尿中の糖や蛋白、潜血、pH、比重などの項目を機器で測定します。
- 尿沈渣検査:尿中の有形成分を顕微鏡で観察し、赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、異型細胞などが出現していないかを調べます。
- 妊娠反応(尿):2分間で測定ができます。
- 尿中肺炎球菌検査、尿中レジオネラ検査:専用のキットを用いて、15分で測定ができます。
- 尿中薬物検査:覚せい剤やコカイン系、アヘン系麻薬、大麻、マリファナなど乱用薬物についてのスクリーニング検査を行います。
糞便検査
- 便潜血検査:消化管出血の検査として行われます。近年、高齢化や食生活の欧米化に伴い大腸がんのスクリーニング検査として広く普及されています。
- 便膿球、脂肪球検査、便好酸球検査:感染性腸炎の場合、顕微鏡で観察すると膿球(白血球)が石垣状に見えます。
- ロタウイルス検査:ロタウイルスは特に小児にかかりやすく、冬の時期に多いです。
専用のキットを用いて15分で測定ができます。 - 虫卵検査:顕微鏡で、糞便中の虫卵の有無を調べます。
体腔液検査
胸水や腹水がたまってしまったときに、原因を調べるために行います。
関節液検査
関節液中の結晶を顕微鏡で見て、痛風か偽痛風か調べます。
髄液検査
中枢神経の感染症(髄膜炎、脳炎)、くも膜下出血、多発性硬化症、脳脊髄腫瘍のときに有用な検査です。
喀痰・鼻汁検査
喀痰や鼻汁中の細胞分類を行い、感染症によるものかアレルギー性によるものか迅速に判断することができます。
精液検査
精子の数、運動率、奇形率を調べ、男性不妊の原因を調べます。
気管支肺胞洗浄液検査
気管支鏡を用いて、気管支内に生理食塩水を入れたあと回収し検査します。
呼吸器に関する疾患や、肺胞の細胞数や細胞種類などを調べることができます。
特に、び漫性間質性肺炎や腫瘍性疾患の診断に有用です。
呼吸器に関する疾患や、肺胞の細胞数や細胞種類などを調べることができます。
特に、び漫性間質性肺炎や腫瘍性疾患の診断に有用です。
免疫血清検査
感染症(肝炎ウイルス・梅毒・エイズなど)の検査や内分泌機能検査、腫瘍マーカー検査、血中薬物濃度検査、自己免疫疾患の検査等を行っています。
実施検査項目一覧
感染症検査
- 梅毒RPRテスト
- 梅毒TPLA法
- 抗マイコプラズマ抗体
- 寒冷凝集素価
- 抗ストレプトリジン-O抗体
- HBs抗原
- HBs抗体
- HCV抗体
- 抗HIV1/2抗体
免疫グロブリン・補体
- IgG、IgA、IgM、IgE
- クリオグロブリン定性
- C3、C4、CH50
血漿蛋白検査
- フェリチン
- β2マイクログロブリン
- BNP
- KL-6
内分泌機能検査
- TSH
- Free T3、Free T4
- HCG定量
腫瘍マーカー
- CEA
- AFP
- CA19-9
- PSA
- SCC
血中薬物濃度
- テオフィリン
- フェノバルビタール
- フェニトイン
- カルバマゼピン
- バルプロ酸
- ジゴキシン
- バンコマイシン
自己免疫検査
- リウマチ因子定量